歯周病は、歯の周りの細菌が原因で歯ぐきが炎症を起こし、進行すると歯槽骨(歯を支えている骨)が溶かされて、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気。
歯ぐきから出血したり、歯がグラグラしている場合は、歯周病の可能性が高いです。
右のグラフが示すように、国民のほとんどが罹患しており、生活習慣が大きく関与しています。
歯ブラシのみの予防法では、進行を止めるのは難しい病気ですので、検査により原因を明らかにし、対策を立てるようにしてください。
歯の周りには、歯垢(プラーク)と呼ばれる微生物のかたまりがあり、1mgあたりに約1億個の微生物が活動をしています。歯周病の原因の細菌は、この歯垢の中に潜んでいるのです。
歯垢が石灰化した歯石も歯周病の原因のひとつで、歯石は歯ブラシだけで取り除くことはできません。気になる方は、私たちにご相談ください。
タバコも歯周病を悪化させる要因の一つです。タバコを吸うと血液の循環が悪くなり、歯ぐきの再生能力が弱くなるため歯周病が進行してしまいます。
歯周病は強い自覚症状の出にくい病気で、様子を見ているうちに病気がかなり進行してしまっているケースも少なくない、恐ろしい病気です。
歯周病が進行してしまっても諦めないで下さい。当院では歯周組織再生療法によって、無くなった歯の周りの骨を回復させる治療を行っています。また、重度の歯周病で歯を抜かなければならない場合にはインプラントや自家歯牙移植(親知らずを移植)を行っています。
歯肉炎
歯周病初期(軽度歯周炎)
歯周病中期(中程度歯周炎)
歯周病後期(重度歯周炎)
ある医学的調査によると、歯周病を患っている人は そうでない人の1.5〜2倍の確率で心臓病にかかりやすいそうです。そのため、心臓病が死因の主要因の一つとされているアメリカでは、歯周病の予防に力を入れています。歯周病と心臓病、この二つを結びつけるのが、歯周病の原因である歯垢。歯垢が血流中に入りこんで血栓を作りだすことが、心臓病の原因の一つになるのです。これらの血栓は、動脈硬化などの原因にもなります。
ある大学の調査によると、歯周病を患っている人は、そうでない人と比較して約2倍、重度の歯周病の人は、約3倍で糖尿病になりやすいことがわかっています。歯周病が続くと、細菌が血中に入り込み、血糖値を下げるインスリンの働きの邪魔をすることが原因のようです。もともと、糖尿病のある人が歯周病になると、糖尿病が悪化することは知られていましたが、歯周病は糖尿病を引き起こす危険因子の一つであることが調査によって証明されました。
「たまに歯ぐきから血が出るくらいなら大丈夫でしょ」と見過ごしがちな歯周病ですが、心臓病や、糖尿病の原因にもなる、危険な病気のひとつなのです。歯も、歯周病も、悪くなる前に治すのが、いちばんの治療。日頃から丁寧にブラッシングしながら、3か月に1度は歯科医院では定期検診を受けることをオススメいたします。
「8020運動」ってご存知ですか?
8020運動は、『80歳になったとき、自分の歯を20本以上残そう!』という運動です。
ある調査によると、"80歳になったときに自分の歯を20本残せるか"との質問に、約75%の人が"自信がない"と回答したそうです。歯を失う原因は、むし歯だけではありません。
しっかり歯磨きをしていた人でも、日本人は、50歳を過ぎたあたりから急に歯を失い始める人が多いようです。先ほどお話した「歯周病」がその原因のひとつ。大切な歯を守り続けるためにも、「歯」の危険度チェックをしてください。
当てはまる項目が多いほど、歯周病になっている危険性が高いと言えます。歯周病は、むし歯のような強烈な痛みがないため、気づいた時にはだいぶ進行してしまっているものです。一つか、二つでも当てはまるものがありましたら、ライフスタイルの改善にも気をつけながら、一度、検診にいらっしゃってください。